美味しいアイスコーヒーの作り方と楽しみ方。神戸市北区で自宅カフェを営む吉崎さんのオススメとは。


三田の仕事

三田市南が丘で月2回営業しているシェアSHOPおおきな木で開催されたワークショップ「珈茶の会」。コーヒーについての基礎知識から入れ方、飲み比べなど、少人数のゆったりとした雰囲気で学べます。
講師は大手カフェチェーン店で働き、現在は神戸市北区上津台で自宅を改装したカフェRoaster’s Cafe Knockを営む吉崎さん。今回はアイスコーヒーの美味しい作り方について、実演と飲み比べをしながら分かりやすく教えて頂きました。

豆の向き不向きを学ぼう

ホットとアイスでそれぞれ専用の豆があると勘違いしている人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。ホットに使う豆でアイスを作りますし、その逆もあります。ただし、同じ豆でもホットとアイスでは向き不向きがあるので、その違いを知って豆を選ぶのが美味しいコーヒーを作る最初のポイントです。
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やや深煎り、濃く作るのが基本

豆をやや深めの煎り加減にし、少し濃い目のコーヒーを作ることが美味しいコーヒーの基本。人間の味覚は冷たい物に対しては鈍くなる傾向があるので、しっかり焙煎した苦めの豆をオススメしているお店が多いそうです。
オススメは、香りがいいアフリカ産をやや深めに焙煎した豆。
knock11オススメのタンザニアの豆は柑橘系の香りがあるのでオレンジマフィンとの相性がいい。

焙煎の度合いで味が変わる

やや深煎りがオススメということですが、煎り具合でどれだけ味が変わるのか飲み比べをしました。
knock4飲み比べは豆の味がしっかりでるコーヒープレスで作ります。
比べる豆は浅く焙煎したラテンアメリカのニカラグアと、深く焙煎したインドネシアのマンデリン。
ニカラグアはすっきり、甘く、花っぽい香りで飲みやすく、マンデリンはどっしりと苦味を感じる味と香りでした。それは豆の苦味ではなく焙煎の時にでる煙などの香り。深煎りの豆はそういった焙煎の苦味が強くでるそうです。
knock5浅煎りのニカラグアと深煎りのマンデリン、香りと味ともに違いがはっきりしていました。
ちなみに焙煎での味の違いを知るためにこの2つを飲み比べしましたが、どちらもアイスコーヒーではオススメしません。薄い浅煎りのニカラグアはミルクやシロップの味に負けてしまうし、深煎りのマンデリンはカフェオレではオススメできますが、ブラックで飲むには味がしっかりしすぎてしまいます。

一気に冷やす

水出し以外は「急冷」でつくるのが基本。じわじわ冷やすと酸味成分がでてきて不味くなるのがコーヒーの特徴。熱いコーヒーを冷蔵庫で冷やしたり、1個ずつ氷を入れるのではなく、氷をまとめて入れた容器にコーヒーを注いで一気に冷やしましょう。氷は多めにいれて、もう溶けないというくらいキンキンに冷えた時点で残った氷を取り除けば薄まりすぎることなく冷やせます。
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作り方による味の違いを楽しむ

作り方で好みの味を選べるようになるとさらにアイスコーヒーを楽しめます。

【プレス】

プレスは豆の味が凝縮された油分も抽出されるため、豆の味と香りがしっかりした素材本来の美味しさを楽しむことができます。
プレスの網目に通らないように豆は一番粗挽きで、中煎りから深煎り。ホットコーヒーをつくるときの半分くらいのお湯で濃いめに作り、急冷で氷を溶かしてちょうどいい濃さに仕上げます。
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【ドリップ】

コーヒーの雑味を紙が吸収し、良い部分だけが綺麗にカップに落ちることですっきりとした味になるのがドリップの特徴。
味がしっかりでるように、ホットを作るときより若干細かめに豆を挽くのがポイント。
knock7ドリップの基本は外にお湯をあてないこと。外側を伝ってお湯がそのまま流れてしまうため薄いコーヒーができてしまいます。

【水出し】

熱いお湯ででる苦味成分は水だと出ないので、香りがフワッと、フルーティーでまろやかな味になるのが水出しの特徴。
水は浄水でも充分美味しいコーヒーができます。豆は細かく挽いたものを使用。量が多いならパックは1つに詰めずに40gずつを目安に分けて、ゆとりを持たせた方が味が出やすくなります。冷蔵庫で8時間〜10時間くらいほど寝かせましょう。
knock10水出しとドリップで飲み比べ。水出しはまろやかな香りのある味に。ドリップは苦味があり、キリッとした味に。

ご紹介

美味しいアイスコーヒーの作り方についてもっと細かい話が聞けたり、飲み比べを体験できるのはこの「珈茶の会」に参加したからできたこと。詳細はシェアSHOPおおきな木Facebookページをご確認ください。ぜひ、皆様もワークショップに参加してみましょう。

Roaster’s Cafe Knock

神戸市北区上津台4-8-18
月に数回の営業・不定休
https://www.facebook.com/roasters.cafe.knock/
couleur-knock-17出典:Cripri

(記事公開日:2016年7月19日(火))

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